バンガードプロ : マイク・モーツ
マイク・モーツはミシガンで活躍しているプロのマクロフォトグラファー。
”Outdoor Photographer”、”Natures Best”、”Nature Photographer”、”Photolife”、”PC Photo”、”Shutterbug”、他多数の誌面に記事や作品が掲載されていて、国内や海外のアワードも複数受賞している。今回息を飲むようなマクロ撮影の作品をいかに制作しているか、専門家としてアドバイスをしてくれた。
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キャラクター(特長)を見つける
撮影に出かけたら、まずゆっくりと時間をかけて被写体の面白い特長を観察すること。
花や葉、木や虫を含むすべてのものに、さまざまな特長・要素を隠されている可能性は高い。「キャラクター」とは被写体の独特の形、注目すべき線の美しさ、並外れたコントラスト、普通とは異なる模様、独自のテクスチャ、特別な光などに反映される。
自然の中にキャラクターを見つけるということは、つまり多くのフォトグラファーが撮るような、普通さ・平凡さから離れたところでその被写体のイメージを創り上げること。
環境を知ること
マクロ撮影の利点は季節ごとに環境が定期的に変わり続けること。
私たちが撮っている植物のライフサイクルは月ごとで変わる。撮影している環境のパターンを観察して学ぶことで、ちょうどいい時とちょうどいい場所をとらえることができる。
アートを創りあげているのか、あるいはただ記録しているのか?
花を撮影するとき、例えばそれは図鑑で見る資料写真のようなものを想定して撮っているのだろうか?その場合は、花に加えて、ありとあらゆるがらくたを含むその花が育った環境を写すことになる。
それとも花が目立つクリーンな背景で、アーティスティックな画を創りあげようとしているのだろうか?それであれば、被写体の花が見やすいよう、他の目をそらさせるような要素を極力抑えた背景で、正しいカメラアングルを見つけ、より芸術的な構図にする必要がある。
シャッターを切る前に考えているか?
被写体を見つけ、撮影のため三脚とカメラを構えたら、「自分は同じアングルや作風ででこの被写体を見たことがあっただろうか?」と考える。もしあれば、撮るのを止める。
わたしたちはいつでもオンライン上で他のフォトグラファーの作品を見て勉強しているし、みんな花はもちろん他の被写体のマクロ写真を何千枚と見ている。もしあなたが、その被写体を過去に見たイメージと同じように構成しているなら、これまでにまだ見たことがないような違った方法での構図や構成を見つけるべきだ。
自分のイメージ・作品を際立たせたいのなら、他者のコピーは止めて、自分自身のオリジナルの視点で被写体を撮らえるアイデアを考えだすべきだ。
画像処理ソフト
これらのティップスで、ユニークで芸術的な写真を生み出せるはず。
素晴らしいキャラクターを持った被写体を見つけ、自分のオリジナルなスタイルでそれを構成しても、カメラから画像を取り出してみると生命感に欠けている。デジタルカメラはそれだけで写真が仕上がるようにはデザインされていない、そこからはフォトグラファー次第なのだ。
画像に深みやコントラスト、色、劇的な雰囲気を与え、生命を吹き込むためにはソフトウェアで編集をする必要がある。わたしが愛用しているのはNKソフトウェアとTopazプログラムという2本だ。私の場合はこれらを使えば、自分の写真を見る人の注意を引き付ける、まったく別の次元に引き上げることができる。
マクロ撮影のための機材
今までで一番成功したと思っている作品は2004年にFujiのS2というカメラで撮影したもの。そのカメラはデジタルとはいってもかなり昔のものだね。レンズについては、わたしはTamronのマクロレンズを使っているけれど、どのメーカーも質のいい接写用レンズを作っている。
おすすめなのは180mm程度の焦点距離が長いレンズ。焦点距離が長ければ、被写体との距離がとれるので、蝶やトンボ、蛙など近づくて逃げてしまう生物を撮る時にも使い勝手がいい。
オプションとして、中距離の90mm、100mm、105mmのレンズも使える。ただ、被写体との距離はそれほどとることはできない。
50mmや60mmのレンズは、被写体との距離が近すぎて、対象である生物を怖がらせるし、地面に近い姿勢での撮影になるため、腰や膝にも負担がかかるのでお勧めできない。わたしは100%の確率で三脚を使って撮影をする。よりシャープな画が保証されるからね。
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