1年目11月のおでかけポイント
No.08 芝離宮公園
環境:池 樹林
野鳥を観察することに興味をもつと、いつでもどこでも野鳥の姿を目で追ってしまいます。10月に山手線に乗っていたとき、ふと車窓に上空を飛ぶ鳥の群れが目に入ってきました。車内の表示を見るともうすぐ浜松町駅。たまたま持っていた東京の小さな地図を見ると近くに大きな浜離宮庭園があります。しかし、鳥たちは浜離宮ではなく、より駅に近い芝離宮庭園へ下りていきました。緑の量では浜離宮のほうが多いのですが、鳥たちの行動から芝離宮庭園を訪ねることにしました。
庭園では観光で訪問の方も多かったので、みなさんの楽しみを邪魔しないように、園内では双眼鏡でのバードウォッチングをすることに。池のそばへ行くとたくさんのカモが浮かんでいました。
まずはキンクロハジロ。黒白の配色に黄色い目は遠くからでもわかりやすく、バードウォッチングを開始する上でのウォーミングアップには適した鳥です。
しばらく観察していると水に浮かびながら羽づくろいを始めました。ラッコのような動きをビデオに撮ることもできました。くるくる回ってしまって、目が回らないのか、ちょっと心配になってしまいました。
キンクロハジロに似た姿で頭の赤っぽいカモが石の上で休んでいました。ホシハジロの雄です。
雄がいる場合、近くに雌がいることがあります。探してみると、やはりいました。こちらはホシハジロの雌。頭が胴体とほぼ同じ色で地味ではありますが、雄と異なり目が黒っぽいのでかわいく見えます。
もう少し見回すと、頭の赤い頭のカモが岸で休んでいます。一見似ているように見えましたが、ホシハジロのように胸の部分が黒くありません。
じっと観察していると、ふと起きてこちらを伺っていました。視線を感じさせてしまったでしょうか。でも起きてくれたおかげで嘴がほぼ青灰色で先端だけが黒っぽいことを確認できました。ヒドリガモです。隣にいるのは雌であることも判明しました。
いろいろカモの種類がいそうなので、池にいるカモの姿をくまなくチェック。すると、5月に会ったオナガガモも発見!5月は見えにくい岸の上で休む姿を見ただけでしたが、今回はしっかり顔が見えて、嬉しい出会いとなりました。シックな色合いで、意外とファンが多いオナガガモです。
雌を探すと、そばにはおらず、水中に隠れた石の上に止まって羽づくろいをしていました。まだ越冬地に来て間もないせいか、オナガガモは雌雄ともに自分のことで頭がいっぱいのようです。
カモを一通りチェックしたので、少し木々を見てみることにしました。すると、木の上にヒヨドリのような鳥影が。
ちょっと写真ではわかりにくいのですが、翼が赤茶色で目の上に白っぽい線があるので、ツグミでよさそうです。冬に日本に渡ってくる鳥の一つです。
ツグミの出現の心を躍らせていると、近くのベンチでスズメがこちらに向かって鳴いていました。そうそう、スズメも都会の中で会える大事な野鳥です。
スズメが去った後に私がベンチで一休みしていると、目の前の池の上を素早く飛ぶ青く色。光が丘公園で一瞬しか会えなかったカワセミ!今度こそしっかり観察したいと、その青を目で追うと、池の中にある島の松の木に止まりました。さっそく見やすい場所で移動することに。休んでいる場合ではありませんでした。
このカワセミはどうやら人に慣れているようで、通路で人がちょうどいない橋の上にやってきて、水の中にいる獲物を狙っていました。何度が水の中に飛び込んでいましたが、ここではうまく餌にありつけず、しばらくすると遠くへ飛んでいってしまいました。
池のそばでカワセミの余韻に浸っていると、白い鳥がやってきました。コサギです。脚の指が黄色いのが特徴です。
コサギは羽づくろいが終ると池へ入っていき、脚をふるわせて魚を捕り始めました。しかし、コサギのお腹をしっかり満たしてくれるほどはいなかったようです。
上空を見ると、アオサギが大声で叫びながら飛んでいきました。時計を見るともうすぐ16時。このアオサギはそろそろネグラに向かっているのかもしれません。ということで私も帰ることにしました。
今日は13種類観察し、4種類も新しく観察できた鳥がいました。しかし、記録を見るとこれまで毎月観察できていたキジバトが観察できませんでした。おそらくいない鳥ではないと思いますが、今回見つけられなかったので、次回の観察ではキジバトにもしっかり気を配っていきたいと思います。
スケッチは頭の赤いのが印象的だったホシハジロの雄。目が赤いのでちょっと怖く見えてしまいますが、かっこいい顔つきを捉えてみました。
お勧め機種
一般のお客さんの多い公園などでは、鳥が人に慣れていることも多いので、双眼鏡でも十分です。特に冬はカモは距離が近いこともしばしばですので、小型のものでもまったく問題ありません。都内の公園で三脚の使用が禁止されている場所もあるので、受付などで確認することをお勧めします。マナーを守って、スマートにバードウォッチングを楽しみましょう。