第9回 大阪のおすすめバードウォッチングスポット

第9回 大阪のおすすめバードウォッチングスポット

大阪城公園

前回、東京のバードウォッチングスポットを紹介しましたので、今回は大阪で気軽に訪問できる場所を紹介します。交通の便が良く、大阪城公園です。大阪の真ん中にある大阪城ですが、そばを大川が流れているため、その川の緑に沿って鳥たちが移動してくるようで、秋から冬にかけてたくさんの野鳥が訪れています。これまで150種類以上の鳥が記録されているそうです。旅行や出張で大阪に行ったときには、ぜひ立ち寄って欲しいところですし、近畿地方にお住まいの方ならば、何度も足を運ぶことでたくさんの種類の鳥たちに会えることでしょう。

大阪城公園
https://osakacastlepark.jp/

アクセス
https://osakacastlepark.jp/access/

 

到着したら、まずはお堀を見てみましょう。都心の中にありながら、お堀の水がとてもきれいな場所では藻が生えていますが、それを目当てに水面ではカモたちが飛来しています。

まず白と黒で目立つのはキンクロハジロです。

頭の色が赤っぽく見えるのはホシハジロです。

同じように頭が赤っぽいのですが、おでこがクリーム色をしているのがヒドリガモです。カモの仲間にしてはよく鳴く鳥で、群れからピューン、ピューンとややしり下がりの声が水面から聞こえることがしばしばです。

水面を泳ぐ鳥で、額と嘴の白い以外は全身真っ黒の鳥も見られると思います。オオバンというクイナの仲間で、水草を好んで食べます。

オオバンが泳ぐそばを泳ぐカモがいたら、それはオカヨシガモかもしれません。オカヨシガモは体が軽いため、深い場所の水草が取れないのですが、オオバンが潜って採ってくる水草を横取りしようとオオバンの近くにいることがあります。

近年飛来数が増えていると言われているヨシガモも水面に浮いている鳥を丹念に探していけば見つけられると思います。

次に水面以外を見てみましょう。水面の近くの茂みにはカワセミがいることがあります。

意外とじっとしているとわかりにくいのですが、岸辺や水面に近い人工物などにアオサギも見つかるでしょう。

大阪城公園の中でも、ちょっとオススメの野鳥観察ポイントは梅園です。いろいろな鳥が訪れます。

地面から乾いた落ち葉のカサカサという音が聞こえてきたら、それはシロハラが落ち葉をひっくり返して餌を探している行動かもしれません。

シロハラよりも数が少なめで、警戒心が強いアカハラも近くにいるかもしれませんので、周囲に鳥の動きがないか、静かにして探してみると良いでしょう。

周囲の目立つ木々から「ヒッヒッヒ」と甲高い声は聞こえたら、ジョウビタキがそばにいるはずです。葉の少ない枝先などを探してみましょう。

ジョウビタキが好きな環境には、よくモズもやってきます。しかし、ジョウビタキなどの小鳥を襲うために、モズが現れるとジョウビタキは一目散に逃げていきます。その行動でモズの出現に気がつくこともありますので、観察している鳥がどのような行動をするのかにも注目することが大切です。

他の鳥の行動に気をつけるようになると、猛禽類の出現に気がつくようになります。特にカラスのように敵を威嚇する行動をする種類が騒がしくしているときは何か猛禽類が出ていることが多いです。写真は、大阪城公園上空に現れたハイタカを追跡しているところです。

今回紹介した鳥たち以外にも、季節によっていろいろな鳥たちに出会える大阪城公園です。街の中に緑の島のようにあるこの環境は、野鳥たちにとってオアシスのような場所です。大阪に行った時には、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

 神戸宇考 野鳥画家 神戸宇孝(ごうど うたか)

プロフィール1973年石川県生まれ
英国サンドーランド大学自然環境画学科卒。

5歳の時に野鳥観察に興味を持ち、野鳥画は小学生の時に動物画家の薮内正幸氏の絵を見て描くようになる.CWニコル氏のものの環境管理について学び、2000年英国に留学、野鳥生物を描く基礎を学ぶ。在学中、野鳥雑誌BIRDWATCH野鳥画コンペティションに最優秀画家の一人に日本人としてはじめて出される。野鳥の行動や環境と生き物のつながりを観察するのがモットー。

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