おすすめバードウォッチングスポット
東京港野鳥公園
緑が少ないと言われている東京23区内ですが、実はたくさんのバードウォッチング・スポットがありますが、その中でも初心者にオススメなのが、東京港野鳥公園です。
東京港野鳥公園HP
http://www.wildbirdpark.jp/
羽田空港と都心を直結する東京モノレールの流通センター駅から徒歩で行かれる距離にある上、常時野鳥の案内をしてくれるレンジャーが駐在し、どんな鳥がいるかも案内してくれます。また、望遠鏡が観察舎やネイチャーセンターに設置されています。台数は限られますが、双眼鏡の無料貸出まであるので、手ぶらで出かけても野鳥観察を楽しめるのが良い点です。
アクセス:
http://www.wildbirdpark.jp/access.html
週刊の野鳥情報がネット上に公開されているので予習もしっかりできますし、過去3年間の野鳥の出現時期も「野鳥カレンダー」として掲載されているので、出会いたい鳥の種類が一番現れている時期を選んで訪問することもできます。
http://www.wildbirdpark.jp/nature.html
野鳥カレンダーを見ると、一年中たくさんの野鳥が来ているのですが、多くの種類を観察できるのは秋から冬です。特に、シベリアなどからやってくるカモの群れは、水面で休んでいる姿は動きもゆっくりで初心者でも観察が簡単です。
まずは2016年にリニューアルされたばかりネイチャーセンターに入って、水面のカモを見てみましょう。
まず識別が簡単なのは、カルガモです。体は茶色ですが、嘴の先端が黄色いので、すぐにわかります。
次にわかりやすいのは、針のように尖って尾羽が長いオナガガモ。
頭が赤茶色で額がクリーム色のヒドリガモも一見してわかるカモです。
天気の良い日に光が当たって頭の緑色の光沢がきれいに見えることが多いマガモも東京港野鳥公園で見られます
しばらく行動を見ていると、ずっと水面に浮いているカモとよく潜っているカモの2つのタイプがいることがわかります。よく潜るカモを見てみると、ヒドリガモのように頭の赤いカモがいます。ホシハジロというカモです。
ホシハジロのように頭が赤くはなく、黒っぽいものが見られますが、後頭部からぴょこっと毛が伸びているのは、キンクロハジロと言います。
このキンクロハジロに似ているけれど、背中が白っぽいのは、スズガモです。
東京港野鳥公園でよく観察できるカモで基本として覚えておくと良いのは以上の7種ですが、ちょっと見つけられたら嬉しいカモがいます。一つはヨシガモです。頭の緑色と赤紫の2色がとてもきれいです。世界的には分布がアジア地域で、欧米のバードウォッチャーには憧れの鳥です。海外のバードウォッチャーの友達ができたときに見せてあげると喜ぶでしょう。
次に名前はよく似ているけれど見た目が全然違うオカヨシガモ。見た目は非常に地味なのですが、渋い色の模様や色には結構ファンがいます。
行動を観察していて楽しいのはコガモです。メスの後を追ってオスが求愛のディスプレイをするのですが、水面に嘴をちょっとつけて首をヒョイっとあげ、その後にお尻の黄色をピッと広げるのです。
カモで一通り楽しんだら、次は杭の上にいる黒っぽい鳥を見ましょう。カワウです。ほぼ全身黒いのですが、顔に白いところがあり、よくみると喉も少しだけ黄色くなっています。
反対に白い鳥を見てみましょう。首が細長い鳥はサギの仲間です。水の中をゆっくり歩きながらひょろひょろの首を伸ばして歩く鳥がいると思います。ダイサギです。嘴が冬には黄色くなるのが特徴です。
一方、ダイサギよりも小さくて、ちょっと忙しなく動き回っているサギはコサギという種類です。嘴は黒っぽく見えます。浅瀬や水が透き通っている場所では足指が黄色いのが見えることがあります。
サギの形をしていて、ちょっと灰色っぽい鳥はアオサギです。ダイサギよりもじっとしていることが多い鳥です。色合いも似ているせいか、関東では上野動物園や千葉動物園にいる「動かない鳥」として有名になったハシビロコウに間違われた人もいました。
これまで紹介したカモやサギの他にも、見つけやすい水鳥が東京港野鳥公園にはいます。オオバンとカンムリカイツブリです。
オオバンは体が黒くて嘴とおでこが白いのが特徴です。
カンムリカイツブリは横向きだとカモに似ていますが、嘴が細長くてピンク色ということで見分けます。
夏になると頭にあざやかな赤茶色の黒の飾り羽になり、これが「冠」の由来です。
今回は、発見も観察もしやすい水鳥に焦点を絞って紹介をしましたが、東京港野鳥公園にはオオタカやサンカノゴイ、トラフズクといった都内では珍しい鳥たちもやってきますので、ぜひ何度でも訪問してほしい場所の一つです。
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野鳥画家 神戸宇孝(ごうど うたか)
プロフィール1973年石川県生まれ。 5歳の時に野鳥観察に興味を持ち、野鳥画は小学生の時に動物画家の薮内正幸氏の絵を見て描くようになる.CWニコル氏のものの環境管理について学び、2000年英国に留学、野鳥生物を描く基礎を学ぶ。在学中、野鳥雑誌BIRDWATCH野鳥画コンペティションに最優秀画家の一人に日本人としてはじめて出される。野鳥の行動や環境と生き物のつながりを観察するのがモットー。 |
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