神戸宇孝さんの「らくらくバードウォッチング」NO.21 日比谷公園、日比谷濠

神戸宇孝さんの「らくらくバードウォッチング」NO.21 日比谷公園、日比谷濠

2年目12月のおでかけポイント

No.21 日比谷公園と日比谷濠

環境:池・林

 

東京メトロ霞ヶ関駅から徒歩5分。東京駅から歩いて20分程度の場所にある日比谷公園は、いろいろな“ついで”でも気軽に立ち寄ることのできる公園の一つです。

常に人がいるこんなにぎやかな公園で本当にバードウォッチングができるのだろうかと思う方もいるかもしれません。しかし、地図を広げると、日比谷公園は東京23区で最大級の緑地の一つでもある皇居に隣接するため、“鳥の視点”で見れば、つながって見えるのでしょう。そのため、都会の真ん中の公園でも予想以上の鳥を楽しむことができるというわけです。

公園マップで確認すると、公園の中にはさまざまな環境がありました。大きく分けて、木の多いエリア、芝生、池。まずは見通しの効く心字池に行くことにしました。カルガモが2羽、水面にいるのがすぐに見えました。

さらに、頸を伸ばしている白っぽい鳥が見えました。アオサギです。

続いて、キンクロハジロを見ることができました。そのキンクロハジロが頻繁に上空を気にしているので私も見上げると、ユリカモメが飛んでいました。

目で追うと、公園の北側にあるお堀へ向かっています。ちょっと足を伸ばしてお堀を見に行くと、カモメたちが水浴びをしていました。

そのユリカモメのほうへ舞い降りてくる少し大型のカモメを発見しました。セグロカモメです。

水浴びをしている群れをよく見ると、ユリカモメに大きさが近いセグロカモメのような模様の鳥がいました。ウミネコかな?と思いましたが、嘴に赤や黒の斑点がありません。不忍池ですぐに飛び去ってしまったカモメです。ここではじっくりと観察できました。

カモメのいたお堀に沿って少し目を動かすと、カモの群れが浮かんでいました。双眼鏡で見ると頭が緑色に輝く種類がいたので、きになったので、マガモかな?と思い確認のためにさらに足を伸ばしました。

すると、なんとびっくり!ヨシガモです。

世界的には分布が極東地域のみのカモで外国人バードウォッチャーには憧れの鳥です。私も久しぶりの出会いでしたので、しばらく釘付け。しかも、このヨシガモをゆっくり観察していたおかげで近くにやってきたオカヨシガモやヒドリガモ、そしてカイツブリにも会うことができました。

(ヨシガモ右2羽とオカヨシガモ左2羽)

お堀から公園に戻ってくると、先ほどまではいなかった人だかりができていました。

何?と思って視線の先を見ると、何とカワセミが止まっている姿を皆さんスマホで撮影していました。

都会にカワセミがいることがだいぶ知られてきて、鳥を観察することが趣味ではない方でも、こういう鳥の出現に足を止めてもらえるようになったのは、とても喜ばしいことだと思います。環境への意識向上にカワセミは非常に貢献していると思います。

水辺での観察を終えて、林の中を少し歩いてみることにしました。ちょうどトウネズミモチの木の実がたくさん実っていて、ヒヨドリがたくさん飛来していました。その群れをじっくり見ていると、一羽だけ色が異なる鳥を見つけました。

葉の合間から見えた胸に黒い斑点が見えたので、ツグミと予測して再度探すと、枝先にいる姿を見つけました。

でもヒヨドリの多さにちょっと負けてしまったようで、しばらくすると飛び去ってしまいました。

ツグミ観察で樹上を見ていて足元をふと見るとスズメが来ていました。うっかりスズメの確認がまだでした。しかし、都心では採餌や営巣の場所が減少しているので、都会ではスズメは貴重な存在になりつつあります。ちゃんと記録をしておく必要があります。

スズメから少し奥に、ハクセキレイもいました。こちらも人を恐れずに足元までやってきて、こちらの様子をうかがっています。ひょっとしたら、公園に来る方の中に、ハクセキレイやスズメに餌をあげている人がいるのかもしれません。

私は餌をあげないようにしていますが、近くにやってくる鳥は細かい部分を肉眼で確認しながらスケッチできるので、ついつい長い時間を割いて観察してしまいます。

ハクセキレイのスケッチを終えたとき、樹上からヤマガラの声がしました。シジュウカラよりも木々の多い場所を好むこのヤマガラが、こんな街の中の公園にいるなんて、日本はやはりバードウォッチングに適した素晴らしい国だと、つくづく感じた瞬間でした。

この日、観察できた鳥は27種、新しく観察できた鳥は2種類でした。ついに23区内で観た鳥の種類が80種を越えました!

 

お勧め機種:

日比谷公園の鳥たちは人に慣れているうえ、公園に人も多いので三脚の持ち運びは遠慮して、双眼鏡での観察にしておきましょう。以下の機種がお勧めですが、街中で大きなものを使うのはちょっと…という方は小型のOrrosシリーズがよいでしょう。

 

エンデバーEDⅡシリーズ

オーロスシリーズ

 

 

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