バンガードプロフェッショナル: Uros Podlogar(ユーロス・ポドロガー)
バンガード プロフェッショナルチームに新たに加わった、ユーロス・ポトロガーを紹介。
ユーロスはスロヴェニアのリュブリャナを拠点にする若手のフリーランスフォトグラファー。
エクストリームなロケーション、機械と人。
これが彼の創作活動の原動力であり、情熱を注ぐ「写真」と「冒険」の2つを結びつけている。
彼の作品やプロジェクトの数々は、多彩な運動神経なくしては成り立たない。
彼の作品はNational Geographic Viajes(National Geographic Travel スペイン語版)など、さまざまなメディアで発表され、お気に入りのロケーションの1つである、アルプスの瞳と呼ばれるブレッド湖を見渡す城での展覧会も開催されている。
ユーロスはオリンピックの公式アンバサダー、マイクロソフト ノキアのスマートフォン端末Lumia、ドイツのライトブランド LED LENSER、スウェーデンのスポーツブランドSalmingのアンバサダーとしても活動している。
ユーロスが使用しているバンガードのアイテムはこちら
- Abeo PRO 284CT (販売終了品。同様のモデルABEO Pro 284ATBはこちら)
- Supreme 40F (ハードケース)
- BBH-200 (自由雲台)
- Skyborne 49 (バックパック)
ユーロス自身が選ぶ作品ベスト10を撮影背景とともに紹介。
1) Porsche (ポルシェ):
この撮影はすごく大きな挑戦だった。時速130kmの車窓からの撮影だったし、さらに望むアングルのために自分自身は地面すれすれの低い姿勢をとらなきゃいけなかったから。なんて言っても手持ちで1/10秒で撮っていたから、オリンパスのカメラに内蔵されている手ぶれ補正にかなり助けられた。
2) Motorcyclist on the edge (崖っぷちのモーターサイクリスト):
撮影前日に車を運転していて、ダムを通りかかったんだ。なんとなく深さを眺めてみたくて車を停めたんだ。翌日に超長距離レーサーを撮影するつもりだったし、”エクストリームな”ポートレートにするつもりだった。このエッジから左側を見た時に、ここだ!って思ったんだ。後はバイクを下に停めて、レーサーをこのエッジに座らせるだけだってね。
3) Helicopter Agusta 109E on heliport アグスタ(イタリアの航空機会社)のヘリコプター:
これは偶然撮れた一枚。
スロベニア警察のヘリコプター部隊を撮影するプロジェクトに取り掛かる予定があったんだけど、詳細はまだ何も決まっていなかったんだ。実際撮影をすべて終えてみたら、これがまさに最高の一枚だったんだ!
病院のヘリポートの近くに住んでいるから、ヘリが見える前にまず音が聞こえる。幸いすべての機材が準備されていたから、カメラバッグを掴んでヘリポートから近いパーキングまで走ったんだ。ヘリはヘリポートにだいたい15分位は停まることを知っていたから少しは時間があった。かなりのチャレンジだったけど、ヘリコプターと同じ高さで撮りたかったから、パーキングの屋根の上に登らなきゃいけなかったんだ。登り切るのはかなりキツかったけど、その努力の価値はあったよ。
撮った後に、屋根から降りるほうがずっと大変なチャレンジだったんだけどね…。
4) Cafe racer on the roof top (カフェレーサー):
モダンな集合住宅「Situla」の建築写真のプロジェクトを企画していたんだ。
Situlaはリュブリャナで2番目に高い建物で、一番高い建物はスロベニアの首都にある。僕は高い建造物が昔から大好きだったから、この時も何か普通じゃないことをしたいと思ってたんだ。
カスタムされたバイクの撮影を予定してて、そこでそれをSitulaの屋上で撮ったらどうかなって思いついた。もちろん、そのバイクはエレベーターには入らなくて、25段の階段を僕らは自分たちの手で運ばなきゃいけなかった。上まで登ったらその日は風がとにかく強くて、完璧なショットのために僕は屋上の端の端に立ってなきゃいけなかったんだけど、撮影はすごくおもしろかった。自然光とレフ板だけで撮影したよ。
※カフェレーサー(Cafe Racer)とはオートバイの改造思想、手法の一つです
5) Inside the helicopter (ヘリコプター内部):
山岳レスキューの訓練に帯同していた時、レスキューの訓練場所までヘリで飛んでいる間にパイロットとコックピットを撮影するのに、どうやったらありきたりじゃない写真が撮れるか考えてたんだ。
切り取り方も見方も変えないといけないと思って、床に腹ばいになって、タイミングを測っていた。これは最高の一瞬をとらえられたと思うよ。パイロットの表情、操作中の指先、ローターブレード…全てが完璧に繋がっている一瞬だった。
6) Airplane and girl on the longboard (飛行機とロングボードに乗った女の子):
これは2014年に撮影したお気に入りの一枚。
航空機の撮影は大好きで、いつも機体の動きを感じさせられるように動翼やプロペラの動きを表現を大切にしている。僕の経験だと、プロペラが見えている状況で航空機を撮影するときは、シャッタースピードは1/125秒以下にした方がいい。この撮影の前日、滑走路にロングボードに乗った女の子を配置するってアイデアを思いついたんだけど、その結果がこの一枚だよ。
7) Škocjan caves (シュコツィアン洞窟群):
このショットは将来の自分の写真のキャリアに大きな影響を与えた一枚。
まだアマチュアだった時に、初めてのカメラであるオリンパスとそのキットレンズで撮ったんだ。ここは世界最大の水中洞窟なんだ。もちろんこんな洞窟での撮影には三脚がマスト。
ほんの少し軌道から脱してる、洞窟の一番端のエッジを入れたくて、できるだけワイドなアングルで撮るために岩面を3mくらいよじ登らなきゃならなかった。その頃は広角レンズを持ってなかったんだ。この写真はNational Geographic Viajes(National Geographic Travel スペイン語版)に掲載されたよ。
8) Moving train from the roof (屋根から臨む移動中の列車):
この写真を撮影した日、これから始まる予定のプロジェクトのためにロケハンに向かっているところだったんだ。リュブリャナで一番の高層ビルの屋上へ行った。そこからは住宅建物を一望できて、ベストショットを撮るにはどこがいいかイメージできるんだ。周囲を観察していると、鉄道の駅から伸びている線路上に停まっている機関車に気づいたんだ。
遠くから2両の列車が駅に近づいてるのが見えて、これはたぶん同時に機関車とすれ違うなって予想した。日中でシャッタースピードを落とす必要があったから、急いでNDフィルターをレンズにつけて、それでこれが撮れたんだ。
9) Soča river in winter (冬のソチャ川):
この写真はヨーロッパで一番美しい川、ソチャで撮られたもの。
僕の目にはソチャは夏よりも冬の方がずっと美しく映る。カメラを載せた三脚を端の端に設置しなきゃならなかったし、つまり自分もかなり先端に立たなきゃいけなかった。マイナス15°と極寒な上に、雪が降って地面は凍っていて、滑り落ちるリスクもあってかなり過酷だった。
ソチャの絶壁の峡谷は雪や氷のない夏でもかなりチャレンジングなスポットなんだ。
眼下15mの景色はすばらしいと同時に恐ろしくもある。でもこれを撮影した日は自分が犯したすべてのリスクに何の後悔もなかったよ。
10) Bed lake, self portrait with a lamp (ブレッド湖、ランプとのセルフポートレート):
ここはお気に入りの撮影スポット。
いつもは日の出と日の入りの風景を撮りにくるんだ。その他の時間は僕にはまったく意味がなくて。
ただ川と滝は例外。こういう写真を撮る時は、少なくとも日の出の1時間前にはそこにいるようにして、準備を万全にしたり、写真のイメージを固めるのに十分時間をとるんだ。これは日の出15分前に撮られたもので、セルフポーレートを撮りたくなったんだ。
いつも愛用しているLed Lenserのヘッドランプを装着して撮ろうと決めた。ヘッドランプなしではこの写真はなんか物足りないような気がしたんだ。レリーズを使って撮影したよ。