第1回 水辺の宝石「カワセミ」に会いにいこう!
- 「マイ・カワセミ」を見つけよう
野鳥観察を始めるとき、すてきな環境できれいな鳥との出会いを期待して、ついつい遠くの野山に出かけがちですが、実は野山の小鳥は動きが早くて見つけにくかったり、せっかく見つけてもすぐに飛んでいってしまったりして、残念な思いをすることが多いものです。
そこで、皆さんにお勧めしたいのは、身近な川での「マイ・カワセミ探し」です。カワセミはスズメくらい(14cm)の嘴の長い鳥です。川の中に飛び込んで小魚を捕らえて食べています。
背中のきれいなブルーが印象的で、このカワセミの色に魅せられて鳥への興味がわいたという人もかなりいます。
まず、お手元の双眼鏡を自分に合うように調整をして出かけましょう(双眼鏡の正しいピントの合わせ方)。
このカワセミ、高度経済成長期には河川の水質汚染によって魚が減ったために激減しましたが、現在は水もきれいになって魚も戻り、都会や街の中を流れる小さな川でも姿を見かけるほどに復活をしています。
「うちの近所で、こんなきれいな鳥が本当にいるの?」と言われる方もいますが、ちょっと気をつけてみると、意外なほどに身近にいます。探し方にちょっとコツがあります。
下の写真を見てください。川と言っても、よく見ると川にもいろんな環境があります。大きな川と小さな川のほか、流れは早瀬、淀み、岸辺は草や木が茂っていたり、石がごろごろした場所などです。
カワセミは、餌を採るときに、流れの速くない水辺で水面に近い木の枝や草などに止まり、下を通る魚を待ち伏せしていることが多いので、そういう場所を丹念に探していきましょう。
このように、止まっています。
街の中の川の場合は、コンクリート壁などに止まっていることもありますので、そんな場所も気をつけてみてください。
大事なのは、「流れが淀んでいる」ことと、「水面の上に突き出た止まり場所」です。
写真などでは背中の青はとても目立つように感じますが、意外と野外では自然に溶け込んでいます。お腹側のオレンジ色も同様ですので、双眼鏡でカワセミを見つけるときは、ゆっくり動かして覗いている画面の中に青い点や周囲とは違うオレンジ色の点がないか、じっくり見ていきましょう。
止まっている場所(=餌を採る場所)が見つけられれば、そこには再度やってくる可能性は高いので、カワセミ探しのポイントとして、毎回確認することをお勧めします。また、その川にはおそらく同じような止まり場所がありますので、川沿いを歩いて何カ所か見つけておくと、出会いのチャンスが増します。
カワセミは人気のある被写体ですので、撮影しやすいように、よく川のなかにカワセミが好みそうな枝をカメラマンたちが岸にさしている場所もよくあります。
始めのうちは、そういう場所でカワセミをじっくり観察させてもらうのもよいですが、なんとなく「やらせ」っぽいですよね。探せばカワセミはたくさんいるので、ぜひ自分だけの“マイ・カワセミ”を見つけて、カワセミとのすてきなプライベート・デートを楽しんでいただけたらと思います。
- カワセミを探すために適した機種
カワセミ探しの場合は、川沿いを歩きますし、都会のカワセミは警戒心も強くないので近寄ることもできるので、コンパクトで軽量のもので十分だと思います。スズメくらいの小さな鳥を探すので、つい倍率の高い機種を選びがちですが、実際は覗いた視野が広く確保されている8倍のほうが便利でしょう。
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野鳥画家 神戸宇孝(ごうど うたか)
プロフィール1973年石川県生まれ。 5歳の時に野鳥観察に興味を持ち、野鳥画は小学生の時に動物画家の薮内正幸氏の絵を見て描くようになる.CWニコル氏のものの環境管理について学び、2000年英国に留学、野鳥生物を描く基礎を学ぶ。在学中、野鳥雑誌BIRDWATCH野鳥画コンペティションに最優秀画家の一人に日本人としてはじめて出される。野鳥の行動や環境と生き物のつながりを観察するのがモットー。 |
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宮﨑 雅子
2023年10月31日
私が住んでいます横浜市戸塚区深谷町に流れる宇田川の清流に飛ぶ青い宝石カワセミが飛んで来ます。カワセミに出会えた日は幸せな気分になります。
岩澤雅悠
2023年10月24日
板橋区の石神井川に何時も居ます、毎日見かけますよ🤗