神戸宇孝さんの野鳥観察に行こう! 第11回 さえずりのステージは枝の先!〜スズメによく似たホオジロを探そう

色も模様もスズメによく似たホオジロ
前回取り上げたキジには会うことができたでしょうか?野鳥を観察するには、まず環境に注目していくのが大切だということは、ご理解いただけたと思います。そこで今回はキジのいる環境で見られる鳥、ホオジロを紹介したいと思います。
ホオジロは全長17cm。茶色の胴体に黒白の顔をしているため、スズメに非常に似ています。
スズメとの違いは、顔の黒白の模様のパターンと、やや尾羽が長いこと、それに背中と同じように胸から腹にかけて赤茶色という点です。画像をじっくり比較して、色の違いを確認してください。難しい!と思われるかもしれません。その場合はご自宅の近くでスズメをしっかり観察して特徴を覚えましょう。「スズメに似た、スズメとは違う鳥」という感覚で、ホオジロを見つけるのが良いでしょう。
身近な鳥、ホオジロ
ホオジロも茂みと開けた場所がセットになっている環境が大好きで、画像のような畑と雑木林が隣接している環境や、川沿いの草地と樹林が一緒にある環境であれば、まず間違いなくいます。
キジを探しつつ、今回はホオジロにも注意しながら野外のお散歩を楽しみましょう(※1)。また、画像のような環境にもホオジロはやってきますので、そのような場所もお勧めです。
探すポイントは、枝先!
ホオジロはスズメ程度の大きさで茶色なので周囲の色に溶け込んでいます。すぐには見つからないかもしれませんが、春になると少し突出した枯れ草の先や木々の枝先でさえずるようになるので、見つけやすくなります。周囲より少し高い場所がお気に入りで、杭の上も注目ポイントです。
ホオジロの位置を確認してみましょう。
きっと画像のように、さえずっている姿が見つかると思います。
ホオジロの姿を確認してみましょう。
ホオジロの姿を確認してみましょう。
周辺に適当な止まり場所がない場合は電線やロープなども使いますので、双眼鏡で確認しましょう。
雌をエスコートする雄?
実は、さえずっているのは雄。顔の模様パターンは同じですが、雄の顔の黒い部分が雌は茶色なのが特徴で、地味な姿は地面の上や茂み近くにいると目立ちません。
雄のように目立つ場所に止まることは少ないので見つけにくいのですが、雄がさえずりを止めて地面に降り、2羽で行動している場合は片方が雌であることが多いです。雄が雌をエスコートしているようです。
実はこのホオジロ、長年一夫一妻といわれていたのですが、どうもそうではないケースもあるようです。遠方に縄張りを持つ雄がやってきて雌にチョッカイをかけたりして、なかなか複雑な関係らしいのです。変な雄が雌に近づかないように、旦那雄は雌をしっかりガードしなくてはいけないので、雌の移動先について行っているようなのです。なかなかたいへんです。
草の種と虫が大好物
ホオジロの主食は草の種や虫。枝先でイモムシなどを捕える姿を見ることもできますが、おそらく地面を歩いている光景を見ることが多いと思います。何を食べているかまでは分からなくても、地面をしきりにつついている様子は確認できますので、地上にいるときには飛び立たせないようにじっとして観察してみましょう。
繁殖期が終わると
繁殖期が終わって冬になると、ホオジロはアシ原などの藪の中で過ごすことが増えます。枯れ草の中でじっとしていると、周囲の色に溶け込んでしまい、見つけることも難しくなります。
しかし、春から夏にかけてしっかりホオジロを観察していれば、この時期でもきっと見つけることもできるでしょう。『鳥の動きに目を慣らす』ことが野鳥観察を上達させる一番の近道です。
人と自然が共存する『里山』を大切にしたい
ホオジロはゴルフ場でも見られることがあります。確かに彼らの好む環境条件を考えれば納得ですが、近年はゴルフ場で姿を確認できる頻度がずいぶんと減ったように思います。ゴルフ場の整備方法(芝生の維持管理など)に何か変化があって、ホオジロの生息条件に合わなくなってしまったのかもしれません。
また、河原の草地なども安全管理のためから刈り払われることも以前に比べると増えてきました。
そのようなことを考えると、田畑と雑木林がセットになっている里山が維持されていくことが、今後ホオジロにとって命をつなぐ重要な条件となるように感じています。
人と自然が共存する、世界的にも注目を集めている日本の里山。そしてその環境の中で生きてきたホオジロをはじめとする野鳥たち。私は、この「環境と人と生き物のいい関係」がこれからも維持されるために、日本の里山の農産物を食卓に積極的に取り入れて支えていくなど、普段の生活の中でできる方法があると感じています。かわいいホオジロの姿を後世の人々も楽しめるように、今からできることをしていきたいですね。
(※1)里山に多いホオジロですが、山間部でも観察できますので、登山やハイキングの途中でもホオジロの姿を期待していればきっと出会えるでしょう。休憩時にちょっと見晴らしのいい場所で周囲を見回せばいるかもしれません。
撮影地:神奈川県(海老名市、平塚市、茅ヶ崎市)、群馬県(館林市)、埼玉県(入間市、川島町、坂戸市)、千葉県(鴨川市)、東京都(稲城市)新潟県(佐渡市)
お勧め機種
ホオジロはスズメほどの大きさで、枝先や草地、電線など少し離れた場所に止まることが多い鳥です。周囲の環境を見ながら探すには、視界が広く扱いやすい8倍双眼鏡がおすすめです。散歩やハイキングで気軽に観察する場合は、軽量な単眼鏡も便利です。
ホオジロ観察 Q&A
Q. ホオジロはどんな場所で見つけやすいですか?
畑と雑木林が隣接している場所や、川沿いの草地と樹林が一緒にある環境など、茂みと開けた場所がセットになっている場所で見つけやすい鳥です。
Q. ホオジロとスズメの見分け方は何ですか?
顔の黒白の模様、やや長い尾羽、胸から腹にかけての赤茶色がポイントです。まずは身近なスズメをよく観察し、「スズメに似ているけれど違う鳥」として探すと見つけやすくなります。
Q. ホオジロを探すときはどこに注目するとよいですか?
春になると、少し突出した枯れ草の先や木々の枝先、杭の上など、周囲より少し高い場所でさえずることがあります。電線やロープに止まることもあるため、双眼鏡で確認してみましょう。
Q. ホオジロ観察にはどんな双眼鏡が向いていますか?
枝先や草地にいる小さな鳥を探すには、視界が広く扱いやすい8倍双眼鏡がおすすめです。散歩やハイキングでは、軽量なモデルを選ぶと持ち歩きやすくなります。
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